警備員の人手不足はかなり深刻な問題でヤバイ件 | 警備業界、警備会社、警備員における問題点   

2016年10月5日水曜日

警備員の人手不足はかなり深刻な問題でヤバイ件

ナマケモノ研究会「警備員の人手不足はかなり深刻な問題でヤバイ件」より 2016/01/20


突然ですが私は警備会社の常務取締役です。
これを人に言うと、「すごーい」だとか「儲かってんの?」なんて言われますが、全然違います。

親の会社だから凄くない

自分は4年くらい前に入社しましたが、所詮は親が社長の会社です。
役員になるのは必然なことではあります。
しかし、役員になったからと言って偉そうにふんぞり返ってネットサーフィンしてるわけでもありません。
この時期は自分も警備員の制服を着て現場に立つ事もあります。
何なら社長も現場に出してます。
仕事はたくさんあるのに、そもそも人がいない。

なぜ儲からないのか

まぁ儲からないってうのは言い過ぎかもしれないですが、すごく忙しい時期と暇な時期が極端なんです。
建設業や警備業の繁忙期って主に11月~3月末くらいなんですが、4月になるとめっきり仕事がなくなります。
何でなくなくなるかというと、国や区、市が工事受注の入札を出さなくなるからです。
なぜ入札を出さないのかというと、国や区で使う年間の予算が決まってないから。
なので、建設会社や警備会社は仕事があぶれていっちゃうんです。
仕事がなければやめる忙しい時期に募集して人をいれるやめるの無限ループです。
なので、繁忙期にたくさん人だして儲け出した所で暇になっちゃうと売上が落ちる。
結局年間通しての売り上げはそこまで儲かってないんです。

なぜ人が集まらないのか

それは働きたがりがいないから……と言ってしまえば真理なんですが、もっと言うと警備員の仕事が何となくダサいイメージがあるからなんじゃないかな、って思います。
そもそも警備業というのは何種類かあって、僕らは2号業務という主に雑踏警備、交通誘導警備が主な仕事です。
うちで受注しているのは道路工事や建築現場に警備員を派遣させる、交通誘導警備なんですが、何となく年配の方がやってるイメージがありませんか?
いや、実際にそうなんです。
うちで抱えてる警備員の平均年齢は50代~60代なんですよね。20代、30代が3割いるかいないか。
やっぱり若い人は外でずーっと立ってるだけで周りはおじいちゃんおばあちゃんだけの職場って何となく「ダセぇ」って思ってるんじゃないでしょうか。
でもね、僕もまだ20代なのでその気持ちはわかります。
実際最初はダセぇと思ってました。
でもね、やってみて思うのは「ダセぇと思ってる人がダセぇな」ってことですね。
自分も含め、やはり50代~60代の人の方が若い人より一生懸命働くし評判もいいです。
これはやはり年配の方が昔のバブル前の就職難を経験してたり、色んな人生歩んできた中で「働く事の大切さ」みたいなのを知ってるからだと思います。
「何となくダセぇ」とか「立ってるだけでしょ」みたいなことを思ってる人より劣るのは当然の事です。
そもそも警備員って立ってるだけじゃないし、現場によっては走り回ってる人もいるからね。
だって普通に考えて道路の真ん中に立ってるんだから死と隣り合わせみたいなことは否めないし、それを安全に誘導するってよくよく考えると大変な仕事じゃないですか?
作業する人達や、通行人や一般車に事故を起こさないよう誘導するのって楽じゃないに決まってるんですよね。
つまり、人が集まらないのは「何となくダセぇ」って思ってることや、応募したはいいけど「楽だと思ったけど楽じゃなかった」って人ばかり来るから。
極論をいってしまえば相対的に「仕事をしてない人は仕事をナメてる人」ばかりってことです。
仕事ナメてない人はどんな仕事でも、もう既に一生懸命働いてる。

じゃあ何が悪いのか

うちの会社は今年で25周年を迎えたそうですが、25年前から「人手不足」という同じ悩みを抱えてるってすごくないですか?
めちゃくちゃ悪く言うと「いつまで同じ事言ってるの?バカなの?」って感じですが、この時期になると経営者は自問自答で「いつまで同じ事言ってるの?バカなの?」って言ってます。
少なくとも僕は。
じゃあ何が悪いのか。
国が悪いのか?政治が悪いのか?という議論はそこかしこでしてますが、結論は未だに出てません。
25年うちの会社がそうってことは他の大手もそうなんだと思います。
毎年、年度末にかけてアホみたいに工事の入札がはいり、その度に警備員が足りない~!って警備会社はモチロン、依頼する建設会社の人が嘆いています。
それでも、依頼人数を削ったり休み返上で連勤してもらったりとかで何とかなるはなるんですよ。
でも、やはり年配の人ってタイムリミットがあるんですよね。
何歳まで働けるか、今いる年配の人達がいなくなったらどうなるんだとか、色々考えます。
2020年には東京でオリンピックが開催されますね。
それに向けて競技場の建設だったり、オリンピック会場の誘導員だとか、これから仕事は増える一方です。

ダセぇとか言ってる場合じゃないんですよ

そもそも東京オリンピックが決まった理由は、「日本は安全な国だから」っていうのがあるわけです。
その安全を守る警備員に対しての対価は1日8000円は妥当な数字なんでしょうか?
18000円で暮らしていけるのか、家族を養えるのか。
色んな事を警備員に対して考えなきゃいけないと思います。 
経営者の立場から言わせてもらえば、やはり所属している警備員にはちゃんとした対価を払いたいと思ってるし、充実した生活を送ってほしいと思っています。
しかし、今の国が提示している労務単価では警備員に払える額というのは80009000円が限度です。
これを言ったら炎上しかねないですが、 

国が一番警備員という仕事を「ダセぇ」と思ってる

これです。
極端だけど、労務単価の数字に出てるし、ナメてるとしか思えない。
やはり、僕は人を扱ってる仕事だし、その警備員は人の安全を守ってる仕事です。
「ダセぇ」と思う人もいると思いますが、もう一度考えてみて下さい。
誘導中に通行人からお礼を言われるのもなかなか気持ちいですよ?
 なので、無職でくすぶってる人達は是非、警備会社に面接しに行って下さい。
僕らはそういった人達の社会復帰を全力で応援しますし、これからはやはり若い人たちがやってかなきゃならんと思うのです。 
「ダセぇ」と思ってる人達、一回やってみてから「ダセぇ」と言いましょう。
やってみて尚且つ「ダセぇ」と思ったんならしょうがない、こちら側の責任なので「ダセぇ」で結構です。
ただ少なくとも、うちで活躍してる年配警備員は全然ダサくないし、若い人たちより生き生きしてます。 
最後に、もう一回言わせて下さい。

やってもない仕事を「ダセぇ」と言ってる人が「ダセぇ」

以上です。
面接のご連絡、待ってます。

ナマケモノ研究会「警備員の人手不足はかなり深刻な問題でヤバイ件」より 2016/01/20


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