警備業界、警備会社、警備員における問題点: 7月 2018   

2018年7月23日月曜日

厚労省/建設業の時間外労働規制猶予で検討案/交通誘導警備事業者は労働者限定

日刊建設工業新聞「厚労省/建設業の時間外労働規制猶予で検討案/交通誘導警備事業者は労働者限定」より 2018/7/23

https://www.decn.co.jp/?p=101293

厚生労働省は18日、今国会で成立した「働き方改革関連法」で定める時間外労働の罰則付き上限規制に関する省令の検討案を示した。
施行日の19年4月1日から5年間適用猶予される建設業の対象範囲を明確にする。
建設事業者が委託する交通誘導警備事業者については、会社単位ではなく建設現場に従事する労働者に限定する案を打ち出した。
同日開いた労働政策審議会(労政審、厚労相の諮問機関)労働条件分科会で同省の担当者が表明した。
省令では時間外労働の罰則付き上限規制適用が5年間猶予される建設業の対象範囲を明確にする。
36協定で延長できる労働時間の上限を定めた大臣告示(限度基準告示)の解釈に関する通達を参考にし、労働基準法別表で定義される建設事業と建設業に属する本支店などを位置付ける案をまとめている。
ここにきて与党からの要望も踏まえ、10日に開いた前回の労働条件分科会では、建設業の対象範囲に「工作物の建設事業に関連する警備事業(労働者に交通誘導警備の業務を行わせる場合に限る)」も定める案を打ち出している。
建設事業者が委託する交通誘導警備事業者が該当する。
18日の労働条件分科会では新たに建設現場に従事する交通誘導警備事業者の労働者に限定する案を明らかにした。

日刊建設工業新聞「厚労省/建設業の時間外労働規制猶予で検討案/交通誘導警備事業者は労働者限定」より 2018/7/23

https://www.decn.co.jp/?p=101293

豪雨の濁流 木つかみ一晩耐える 総社の国道 警備員14人流される

山陽新聞デジタル「豪雨の濁流 木つかみ一晩耐える 総社の国道 警備員14人流される」より 2018/7/21

http://www.sanyonews.jp/article/755107

西日本豪雨のさなかの6日夜、総社市日羽の国道180号で、交通規制に当たっていた警備員ら14人が増水した高梁川に流され、2人が亡くなった。
助かった人たちは河川敷の木をつかむなどして一晩、濁流に耐えたという。
生還した警備員の益田守啓さん(36)=岡山市北区=と、井口裕二さん(36)=同市南区=が当時の状況を語った。

2人によると、総社市に大雨特別警報が発令されていた6日午後8時すぎ。
高梁川沿いの国道180号を通行止めにする作業のため、岡山市の警備会社の10人が規制現場に到着した。

道路は既に膝の辺りまで冠水していた。
規制の範囲を広げる必要があるとして、道路を管理する国土交通省の指示を待っていたが、水の勢いは増し、同9時半ごろには胸まで達した。
現場では警備員のほか、立ち往生していた一般車両の男女4人も身動きが取れなくなっていた。

全員、30分ほどガードレールにつかまっていたが、耐えきれず、次々と濁流にのまれた。

益田さんと井口さんは、溺れて方向感覚が分からなくなったが、河川敷に生えていた木や竹をつかみ、必死に水面まではい上がった。
周囲に明かりはなく一面暗闇。雨と濁流の激しさは収まる気配がなく、寒さも感じるほどになった。
声から周囲には、自分たち以外に10人いると分かった。
「大丈夫か」と12人で励まし合い、それぞれ自分の名前を声に出して安否確認を続けた。

つかんだ木竹だけを支えに、益田さんと井口さんは激流に耐えた。
長い夜が明け、周囲の状況が分かるようになると、自力で岸にたどり着いた仲間が、流れてきたタイヤとロープを使って姿の見えた人を救出していた。
2人も助け出され、近くのガソリンスタンドに駆け込み家族に電話した。
緊張の糸が切れ、涙を流しながら無事を報告した。

生死のはざまで井口さんは「このまま天国の母の元に行ってしまうのかな」との思いが頭をよぎり、益田さんは子ども4人の将来を案じ「絶対に生き延びる」と誓ったという。
「極限の状態でたまたま木竹につかまることができたのは、奇跡のようだった」と振り返る2人は全身の筋肉にダメージを受けたが、近く仕事に復帰できる見通しだ。

行方が分からなくなっていた同僚の辻村茂さん(63)=岡山市=と浅越克正さん(67)=同市=は、後に遺体で発見された。
益田さんと井口さんは「ガードレールにしがみついていたあたりまでは警笛を鳴らして安否を確認していたが、途中から反応がなくなってしまった。全員で生き延びたかった」と無念さをにじませた。

14人が流された総社市日羽の国道180号では21日、全国警備業協会の青山幸恭会長が献花し、亡くなった2人を追悼した。
青山会長は「身長に迫る高さまで水が押し寄せたとは想像もできない。2人が亡くなったという反省材料があるので、災害におけるわれわれの役割をもう少し考えないといけないのかもしれない」と話した。

山陽新聞デジタル「豪雨の濁流 木つかみ一晩耐える 総社の国道 警備員14人流される」より 2018/7/21

http://www.sanyonews.jp/article/755107

2018年7月21日土曜日

熱中症対策として

テイケイ ユニオン「熱中症対策として」より  2018/7/14

https://teikeiunion.blogspot.com/2018/07/blog-post_14.html

「熱中症」とは、暑さによって生じる障害の総称で、「熱失神」「熱疲労」「熱けいれん」「熱射病」などの病型があります。
熱中症事故は、急に暑くなったときに多く発生し、気温が高い時ほど、また同じ気温でも湿度が高い時ほど、熱中症の危険度は高くなります。
7日間以上かけて、暑さへの暴露時間を次第に長くしていく暑熱順化期間(暑さに慣れるための期間)が必要なのです。

体調が悪いと体温調節能力も低下し、熱中症につながります。
「疲労」「睡眠不足」「発熱」「かぜ」「下痢」など、体調の悪いときには無理をしないことです。
「体力の低い人」「肥満の人」「暑さに慣れていない人」「熱中症を起こしたことがある人」などは特に暑さに弱いので注意が必要です。

暑いときには、こまめに水分を補給します。
通常、人の1日の水分出納は約2.5L(尿:約1,500ml、呼気や皮膚から失われる水分:約900ml、便:約100ml)です。
胃に水を入れて2030分くらいで、水は小腸に流れ込んで小腸から吸収されます。
2030分ごとには、状況に応じた水分量を補給するとよいでしょう。
水分補給として一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こすので注意して下さい。
水分補給量の目安として、体重減少が2%を越えないように補給します(体重60kgの人の場合は58.8kgを下回らないようにする)
汗からは水分と同時に塩分も失われます。
0.10.2%程度の塩分を補給するとよいでしょう。
0.10.2%の塩分とは、市販の飲料の成分表示では、「ナトリウムが4080mg(100ml)」と表示されています。
加えて、1時間以上の運動をする場合には48%程度の糖分を含んだものが疲労の予防に役立ちます。
自分で調製するには1リットルの水に、ティースプーン半分の食塩(2g)と角砂糖を好みに応じて数個溶かして作ることもできます。
スポーツドリンクにはバランスよく電解質(イオン)が含まれています。
主な電解質には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
スポーツドリンクは、体内から失われた電解質を手軽に補給することができます。

熱中症が疑われるような症状が見られた場合、まず、重症な病型である「熱射病」かどうかを判断する必要があります。
熱射病の特徴は高体温と意識障害であり「応答が鈍い」「言動がおかしい」など少しでも意識障害がみられる場合には熱射病を疑い、救急車を要請し、涼しい所に運び、速やかに身体冷却を行います。
現場で可能な方法を組み合わせて冷却を開始し、救急隊の到着を待ちます。
応急処置としては氷やアイスパックなどを「首」「腋の下」「脚の付け根」など太い血管に当てて冷やすのがよいでしょう。
意識が正常な場合には涼しい場所に移し、衣服をゆるめて寝かせ、スポーツドリンクなどで水分と塩分の補給を行います。
また、うちわなどで扇ぐのもよいでしょう。
吐き気などで水分が補給できない場合には、医療機関へ搬送し、点滴などの治療が必要です。
大量に汗をかいたにもかかわらず、水だけしか補給していない状況で、「熱けいれん」が疑われる場合には、スポーツドリンクに塩を足したものや、生理食塩水(0.9%食塩水)など濃い目の食塩水で水分と塩分を補給します。
このような処置をしても症状が改善しない場合には、医療機関に搬送します。
熱中症の症状が改善しても、少なくとも翌日までは経過観察が必要です。

最近ではドラッグストアなどで「経口補水液」を手軽に入手することができます。
経口補水液は「飲む点滴」として、その効果が認知されています。
正常時に飲むものではありませんが、熱中症時の対応策として携行しておくと非常に心強いものです。
携行に便利なミニボトル、そしゃく・えん下が困難な場合のゼリータイプ、水に溶かすパウダータイプなどがあります。

熱中症対策に過信は禁物です。
正確な知識と的確かつ迅速な対応が必要なのです。

※糖尿病、高血圧、その他既往症のある方は必ず主治医の指示に従って下さい。

テイケイ ユニオン「熱中症対策として」より  2018/7/14