警備業界、警備会社、警備員における問題点: 5月 2017   

2017年5月27日土曜日

警備業者を労災隠しで送検 本来業務以外の作業での骨折を隠ぺい 横手労基署

労働新聞社「警備業者を労災隠しで送検 本来業務以外の作業での骨折を隠ぺい 横手労基署」より 2016/08/01


秋田・横手労働基準監督署は、労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかった警備業者の㈱アッセンブル(秋田県横手市)と同社の実質的経営者を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の容疑で秋田地検横手支部に書類送検した。
平成26年7月31日、同社労働者が秋田県和賀郡の建設工事現場内で右足のかかとを骨折する労働災害が発生している。
入院期間は1カ月半で、休業は4カ月に及ぶ。
被災者は、同工事現場内で、本来の業務ではない「片付け」を現場内に入って行っていた際に怪我をした。
27年1月に「休業保障が支払われず、国民健康保険で病院を受診している」と労基署に相談を寄せたことから、いわゆる労災かくしが明らかになった。


【平成28年7月6日送検】

労働新聞社「警備業者を労災隠しで送検 本来業務以外の作業での骨折を隠ぺい 横手労基署」より 2016/08/01

2017年5月22日月曜日

時間外労働で月200時間超も 過労で鬱、退職強要…元警備員の男性が提訴 大阪地裁

産経デジタル「時間外労働で月200時間超も 過労で鬱、退職強要…元警備員の男性が提訴 大阪地裁」より 2017/05/17


警備員として働いていた男性(49)=大阪府=が、過重労働により鬱病を発症し、さらに退職を強要されたとして、会社側に計約1300万円の損害賠償などを求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが19日、分かった。
男性は24時間勤務を3日間続け、時間外労働が200時間を超える月もあったと主張している。
一方、会社側は同日開かれた第1回口頭弁論で請求棄却を求めた。
訴状によると、男性は平成19年、大阪市内の警備会社「大阪みなと産業」に正社員として入社。
緊急通報への対応や施設巡回などを担当していた。
勤務はシフト制で、午前9時から翌日午前9時までの24時間勤務が多かった。
当初は仮眠が可能だったが、休憩時間の1時間以外は賃金の支給対象とされるようになり、仮眠が許されなくなったとしている。
次第に心身に不調をきたし、25年3月ごろに鬱病を発症。時間外労働は発症前半年間のいずれの月も、過労死ライン(月80時間が目安)を上回る140時間以上に上り、214時間という月もあった。
労働基準監督署は28年3月、過労と鬱病発症との因果関係を認め、労災と認定した。
訴訟で男性側は「会社は過酷労働に対する方策をとらなかった」と安全配慮義務違反を主張。会社が男性に無断で健康保険や雇用保険の喪失届を提出し、退職を迫るなど違法な退職強要があったとも訴えている。
同社は「詳細はコメントできない」としている。

■「仮眠とるな」劣悪環境

「仕事自体にやりがいは感じていた。今は悔しい気持ちでいっぱい」。
現在も鬱病の治療を続ける原告の男性はこう話した。
2020年東京五輪・パラリンピックを控え、建設業と同様に人手不足が目立つ警備業界。そのしわ寄せは個々の従業員に及び、労働環境に深刻な影を落としている。
「大阪南支社機動隊」。男性が勤務していた会社では警察組織になぞらえ、支社管内の詰め所をこう呼んでいた。
広大なエリアを任され、1日200キロを車で走行することも。
必然的に現場到着が遅れ、クレームも増えた。
男性の証言によれば、会社からは「仮眠をとるな」と指示され、きまじめな性格から忠実に従ったという。
「常に緊張して休まるときがなく、トイレすらゆっくりできなかった」。
同僚が休んだ分も「自分が穴を埋めなければ」と四六時中プレッシャーを感じていたと振り返る。
厚生労働省などによると、警備業では男性が9割以上を占め、年齢別では50代以上が3分の2に上る。
平成28年度の有効求人倍率は3・52倍と人手不足が顕著になっている。
業界をめぐっては、NPO法人・労働相談センター(東京)にも「休憩や仮眠時間が定められていない」といった相談が多く寄せられているという。
担当者は「いつ呼び出しがあるか分からず、ほとんど寝られずに緊張状態に置かれている。年配の人は働き口も少なく、劣悪な処遇が広がっているのでは」と推測した。

産経デジタル「時間外労働で月200時間超も 過労で鬱、退職強要…元警備員の男性が提訴 大阪地裁」より 2017/05/17